So-net無料ブログ作成
検索選択

蝶の司キャプテン・キュンメル ラフデザイン(2008) [パーソナル ノート]

 少し手間取っているので、昔描いた絵の話題で失礼させていただきます。ごめんなさい。
 今回はPixivにも、画像は少し多めにしましたが、同じ記事を投稿します。

02.jpg

 蝶の司キャプテン・キュンメルのデザインを検討していた頃のメモの一部です。
 2008年頃ですが、何月何日かまでは覚えていません。この頃はまだ、ノートに日付を書きこむ習慣が身についていなかったんです。けれど、これを書いた日は、のちにいもむしラゼンパとなるアイデアがひらめいた、記念すべき日でした。

 ブログでも何度か触れたことがありますけれど『ゼフィーベの空に風翔けて』としてイベント出展を始める前、もっと暗い作品を作ろうとしていた時期がありました。(『追憶のラゼンパ』 『いもむしラゼンパが、世界を変えました』)
 悪の秘密結社が全世界を裏から操っていて、敵は残忍で良心のかけらも無くて、戦って殺すほかに解決策が無い…という類のシナリオでした。
 そういう舞台設定が好きだったのではありません。制作が楽にできそう、公開すれば受けるんじゃないか、という現実を甘く見た発想があって、もうひとつ、実際の人生は思い通りにならないことばかりだから、架空の世界で憂さ晴らしをしたいという、気まぐれでした。
 サスペンスとか犯罪ものを、鑑賞したり制作したりすることが好きな人なら、それで楽しいのでしょう。私はそうではなかったということです。作品を作りながら絶えず、昔のつらい出来事を思い出して、気分を悪くしていました。

 その登場人物の一人、蝶をスパイのように操って情報収集する少女に、キュンメルと名付けていました。
 メモの中で、衣装の候補を描きながら、言葉遣いや行動のパターンなどを書きこんでいます。こうしたことを書きながら当時の私は思い立ったようです。…蝶たちがいるんだから、一緒にいもむしも出てきていいんじゃないか?

03.jpg

 当時の私はそのアイデアがよほど気に入ったのか、少女キュンメルの性格や衣装のメモを中断して、いもむしのデザイン検討を始めていました。

 この方が楽しかったのだろうと思っています。私がたとえ作り手として未熟でも、この自己分析くらいは正しいと思っています。

04.jpg

 人間だれでも、一時的に怒りにかられるような時はあります。でもそんな感情には、長い年月にわたる作品制作のモチベーションを維持するような力はありません。少なくとも私のような性格の者にとっては、心の支えとは思えません。
 作業の負担を少なく、人気が出そうな内容にする、そうしたことは大事ですけれど、そこへ自分自身が好きになれる要素をどう組み合わせてゆくかが大切だと気づきました。

 ゆるキャラを採り入れられる環境にしようと決めた結果、くだんの暗い話の大部分は不採用にしました。それからいくつもの試行錯誤を経て、現在ウェブで公開しているような創作活動となっているわけです。



とびうお制作記 [パーソナル ノート]

m03v_Snatch_20140412.jpg

 5月のイベント出展のために準備をしています。今回のブログも退屈な記事で失礼します。

 作品には、とびうおが何度か登場しています。とびうおを登場させようと決めた経緯ですが、これには蝶たちが関係しています。

 蝶を登場させようと決めていたのは、とびうおよりもずっと前でした。深い考えがあったのではなく、画面を華やかにできる外見で、3DCGで描きやすい生き物を選ぼう、という程度の理由でした。

crew_20150913.png

 蝶についていろいろ調べるようになったのはそれからでした。そして調べてゆくにつれて、現実に蝶とはどんな生き物なのか知ってゆきました。
 他の動物の食べ物となって自然界を支える、底辺の生き物というのが、実際の蝶の立場です。小鳥や猫など、市街地でも見かける生き物たちだって、蝶などの虫を捕まえて食べています。

 そうしたことを知って考えて、蝶を捕食する動物を、理由もなく蝶と同じ画面に出すことは避けることにしました。
 とびうおは水中でプランクトンなどの小さな生き物を食べているのかもしれません。けれども直接に蝶の天敵となってはいないだろうから…という消去法の末に選んで、とびうおが画面にいるというわけです。

 もちろん、私が選ばなかった、他の方法もあります。
 たとえばトムとジェリーのような、天敵と獲物の関係を利用して漫才コンビ的なやり取りにする手もあります。
 虎の威を借る狐の寓話のように、シナリオのコンセプトを伝えるために利用する道もあります。
 無視する、という方法もあります。ミツバチとカマキリが一緒に旅をする、クマとウサギが一緒に遊ぶというのも、創作としてはありえます。無知ゆえではなく、作品上不要な要素だから無視するというのも、作り手としての判断力です。

 選択肢はあったのですが、私が選んだのは対立を描かない道でした。
 敵と戦う場面があれば手早く作品を盛り上げることはできますが、現実の世の中で安易に誰かを敵視することにうんざりしているから、作品には使わないようにしたいと思いました。

 いかなる時も正しく善良な人、全てにおいて悪い人、そんなものは現実にはいません。
 たとえば、私から見れば、正社員になって毎月決まった収入がある人というのは、とてもうらやましいと思えてきます。
 一方で私には住む家があるから、ホームレスが主役のストーリー上では、私が憎むべき悪役にされてしまうのかもしれません。
 私には心身のどこにも障害は無いから、障害を持つ人たちが私に怒りを抱き、私がもっと奉仕するべきだと要求してくることだってあるかもしれません。
 正社員で伴侶もいて、私から見ればリア充全開の人が、何か理由をつけて私を憎んでいるかもしれません。

 自分が正義であり、誰かに怒りをぶつける権利があると言い張る。誰かから悪者だと決めつけられる。立場はあっさり切り替えられてしまうものです。

 誰が敵なのか、自分と誰かの間にどんな優劣の差があるのか、それは自分がどんなルールを採用するかというセンスの問題かもしれません。
 しかし、誰かを敵視して怒りをぶつけ、気勢を上げるというのは、自分が苦しい立場だと言い張って争いを始めるために、わざわざルール作りをしているようなものでしょう。

 確かにファンタジーの創作ならば、人間を食べる天敵を作ることもできます。サーベルタイガーが絶滅する前の、はるか大昔を舞台にすることもできます。
 けれども私は、そこまでして戦いを作り上げることが面白いという気にはなれません。

 敵が存在して、殺すほかに対処法が無いという事態は、私たちの無知や失敗の積み重ねの末に招き寄せるものであって、それより前に賢く解決する可能性があるはずです。人間の知恵は戦うためではなく、戦いを起こさないために活かせるはずです。
 戦うことが他の仕事よりも尊い、などという時代は終わっているし、私は戻りたくもありません。

 …小難しいことを並べた末にたどり着いたにしては、とびうお達も間の抜けたデザインになっていますけれどね。まあ、これも私なりに知恵をしぼった結果なんです。



夏のコミティアにも、申し込みました。 [イベント - コミティア]

夏のイメージ。イラストと違って遊んでいる場合じゃないんですけれど…

 5月のデザインフェスタとコミティアの出展準備、少しずつですが進めています。はかどっていると言いたいのですが…堂々と言えるようにがんばっています。



 5月の準備もしながら、8月開催のコミティア117にも参加申し込みの手続きをしました。
 少し先の話ではありますけれど、申し込まない理由も特にないので手続きしました。
 ひょっとして、5月に公開する作品が大好評になって、まとまった仕事が来て忙しくなってしまったら、8月にイベント参加していられなくなるかもしれないけれど…全くあてにならない想像ですから、この先の作品制作・発表も地道に続けよう、というわけです。



 キャラクターや舞台をデザインして、シナリオを作って、絵を描いて、物語を公開することを続けています。
 ウェブ上でも、ストーリーというカテゴリーを設けて何度か作ってきました。
 けれども、昨年からストーリーを製本して販売するようにしてから、何かが変わったような気がします。
 本にする場合、たくさんの絵を描いたりして、ブログにストーリーを掲載する時よりも大変ですけれど、これも作品の質と量の両面での向上だと思っています。
 イベントに合わせて本や展示用の作品を制作しながら、ウェブにも別途作品を投稿してゆくようなレベルアップも目指していますから、もっと効率化できるように方法を探りながら、気をひきしめて作業を進めるつもりです。



剣、無知、貧困。 [メイキング - ワークスタイル]

Wizardsword_20160307.jpg

 蝶の司キャプテン・キュンメルは、剣を持っています。自らの意思を持ち、不思議な力を発揮する剣です。

 昨年、漫画を執筆していて工夫したことのひとつが、この剣の位置づけでした。

 作品の中では、剣は誰かに直接切りつけてはいません。敵の隠れ場所をあばいたり、障害物が埋め尽くす地面を切り開いたりしています。

 武器にしては回りくどいようですが、物事を本当に解決するって、こんなものではないでしょうか。



 イベントやウェブ上での作品公開を始める前の話ですが、キャプテン・キュンメルを考案したばかりの頃には、私もまだ古い発想を抱えていました。

 剣や銃を持つヒーローが悪人を叩きのめすシナリオを、作れるようにしておくつもりだったんです。

 けれども、何度か検討作業を重ねるうちに、そんなシナリオを作るのは損だと、分かってきました。

 来る日も来る日も新しい敵や、悪事の手口を考える、不愉快な検討作業になるんです。

 敵を探して戦うのが楽しいとは、私は思いません。自分の価値観や性格をPRするという目的から外れてしまいます。



 悪の化身の何者かがいて、困難の原因は敵の妨害工作、という発想も幼稚です。

 作品を作っていて予定が狂ってしまう時だって、現実に私の周りに何者かが現われて妨害してくるわけではありません。

 自分が知らないことにチャレンジして、予想以上に時間が足りなくなる。
 自分が知っていることだけで固めるために、ハードルを低くしすぎて、完成させても物足りない作品に終わる。

 そんなものです。誰かに八つ当たりしたいのならともかく、実際の障害は、物言う人ではないのです。

 鉄砲やナイフを振りかざすことにこだわれば、困難に本当に立ち向かうすべを見失ってしまいます。

 剣や銃をもって、争いに真の解決をもたらすことはできません。『レ・ミゼラブル』に関してユゴーが記していた事でもありますが、争いをもたらすのは無知と貧困です。暴力に目がくらんで理性的な行動を取らなくなる人や、貧しいために横暴な権力者や犯罪者に逆らえなくなる人が増えてゆくことを、地道に防がなければならないんです。

 権力者の思惑が割り込むことの無い教育があること、市民の言論や生活面の不自由が無いこと、貧しい人や少数派の人を寛容に受け入れること、それが私たち、税金を納めている庶民にとって必要なことです。それを後回しにして軍隊とか国防とかに力を注ぐのは、外科手術の設備を整えながら、うがいや手洗いをしていないようなものです。健康的ではありません。

 周囲を挑発するような行為を控えること、誤解を招く言動をしないことが優先です。銃やミサイルの調達などではありません。

 緊急事態が起きた時に、国家権力がどれだけ強い権限を握るかではなく、どんな事態になろうとも、私たち一般市民が生活や収入、財産を取り上げられることが無いか、自由な言論が守られるかが重要です。

 自由が保障されるということを、無責任で身勝手な行為が許されることだと勘違いするのが無知です。
 市民が生活に困って、暴君や犯罪者の奴隷か兵隊にならざるを得なくなることが貧困です。
 しっかりした教育や労働環境こそが、暴力が無いと生き抜けない状況を生み出さないための対策なんです。

 剣を振りかざして脅しても、誰かに罪を背負わせて切り殺しても、真の解決にはたどり着けないのです。

 せっかく、剣を小道具の一つとして作品上に配置しても、作品の核心に迫れないチープな代物で終わらせては、もったいないじゃありませんか。

 ですから、剣は今度登場する時にも、何かひと工夫した出番にするつもりです。



水をきれいに、キャラも少しはきれいに [メイキング - Blender]

 5月のデザインフェスタとコミティアで公開する作品の内容を考えながら、合間にBlenderを起動して、キャラクターや小道具などに改良を施しています。


2_Graffito_20160301.jpg

 陽気なロボットのグラフィートーのまんまるレンズの顔にも、少し変化を付けました。
 これまでは正円でしたが、下の方をほんの少し小さくしてみました。
 …画像をお見せしても分からないと言われるかもしれませんね。でもいいんです。顔立ちは大きく変えてはいけませんから。
 何度か投稿でお見せしたように、人間のこども程度の背丈のロボットです。小柄な感じを表現しやすくできたと思います。


1_Dewdrop_20160301.jpg

 水や氷を表現するマテリアル(物質の質感のデータ)を改良しました。水のしぶきや流れを表現しやすく作りました。
 去る1月に公開した漫画『不思議の国の氷雪王』のカラーページとはだいぶ変えましたが、技術的には目新しいことではなく、これまでに他の小道具などのデータ作成で使ってきた事柄の組み合わせです。

4_Past_Ice_20160301.jpg

 古いマテリアルの氷でも、直線的な結晶ばかり描いて、最後はいつも通り手描き型のイラストとして加工する…という分には事足りますけれど、もう少し用途を広げたいと思ったからです。
 これで水道や河川なども表現しやすくなるはずです。今後はゴンドラなど、水に関わる物のディテールも改善していきます。


3_Fridge_20160301.jpg

 おしまいは、歩く冷蔵庫のアーマチャー(関節のデータ)の話です。足を柔軟に動かせるようにしたほか、マントや帽子などを人間同様に身に着けることもできるようにしました。
 これは今回ではなくて、昨年暮れに漫画執筆の準備として作業したものです。
 でも、これだけの改良をしたのだから、今後もこの冷蔵庫を作品で活かそうと思いました。
 『不思議の国の氷雪王』で描いたような、みじめな退場で終わりにはしないことにします。今度登場する時には、歩く冷蔵庫、もっといい役にします。

 少し前の作業の話でしたけれど、この先の作品制作の方針に関わるので、少しだけ書いておくことにしました。