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気づかないふたりの制作記 おまけ [パーソナル ノート]

 …あるところに学園都市がありました。よくある学園都市とは、違うところがありました。商店や交通機関、その他、都市のあらゆる公共施設が全て、学生が運営するサークルだったのです。
 そこへ新入生として登場した主人公くん。登校しようと寮を出ます。学校へ向かう電車に乗ったら、運転士も車掌も女子高生でした…

 だいぶ前に考えた学園もの漫画のアイデアです。この漫画自体は仕上げるまでに至らなかったのですが、最近思い出したものですから、いま活動中の「ゼフィーベの空に風翔けて」に取り入れる形で、運転士と車掌には復活してもらいました。

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 普通の世の中で暮らして、人間の相手はするけれども、羽があって空を飛ぶ人は見たことが無いし、その他ファンタジーの世界の住民には出会うことが無い。そんな「気づかない人」を作品世界に導入しようと考えたのは、昨2016年の春ごろでした。
 決まっていたのは「気づかない」という部分だけで、かれらの職業・外見・年齢・性別・人数については様々な案を比較検討していました。
 支配階級、秘密結社、警察官、あるいは何らかの貧しく無学な集団…アイデアの数はあったけれども、既成のドラマにも出てきたような陳腐な案が、ずいぶんありました。
 夏ごろはまだ、この段階の絞り込みができていなかったので「気づかない人」のシナリオを作ることはあきらめて、かわりに不人気を承知で持ち出したファレンカム=サークが登場する『空に迷う少女と黄昏の車輪使い』を執筆したのでした。
 車輪使いというモチーフから汽車を連想したのか、この頃、だいぶ前の学園都市ものの案を思い出しました。

 当初の案の、運転士も車掌も女子高生だった…とは、何とも安っぽいネタですけれど、これも漫画を面白くしようという対策ではありました。

 学生時代に何度か聞かされた言葉があります。
 学園の主役は、お前ら学生なんかじゃない。卒業までのほんのわずかの間ここに通ってくるだけのお前たちが学校の中心だなんて、誰も思ってないんだからな。

 そこで思ったのですが、じゃあ学生が主役になる学園ものってどんなものだろう…と考えついたのが、町じゅうを学生サークルが運営する学園都市、というものでした。
 当時は「気づかない人」とは無関係に考え出していたものでしたけれど、現在のアイデアと組み合わせてみれば、ほかの候補よりは新鮮だと思うので、トラムカンパニーの二人として仕上げたことは良かったと思っています。

 もう一つ、重要なことも決めました。二人は一般の人間以外の存在には気づかないだけであって、憎んではいないし怒りも見せない、ということです。
 ここが誰の縄張りなのか、誰が正当なメンバーで誰がよそ者なのか、そういうことを主張するのではなく、もっと読んで楽しくなるシナリオにしてみよう。その考え方も、二人の性格作りに役立ちました。
 今のご時世、あいつが敵だ、こいつを追い出せという類の主張をして分断線を築くと、高い支持率が集まるのかもしれませんけれど。
 まあ、売れっ子のまね事はやめておくことにします。

 現在は、来月開催のコミティア119に間に合うように新作漫画の制作を進めています。
 苦労して考え出したトラムカンパニーの二人も、登場する予定です。



車輪使いファレンカム=サーク [パーソナル ノート]

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 はるか昔、人類が車輪を発明する時に助力したことをとがめられ、神々の都から追放された者。一対なる雌雄の車輪を操る。
 最近、視力が気になってきたので、眼鏡をかけるようになった。こまめにレンズを拭いて手入れをしている。
 最近というのはレンズ2枚がそろった眼鏡が発明されるより前で、視力の低下というのは目視での誤差が100ナノメートルを超えたというもの。

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 車輪使いファレンカム=サークのイラストです。人気が無いキャラクターなので小さい絵にして、評価が公開で点数付けされるPixivではなく、ブログに載せておきました。
 人気は無いんですけれど、画面を仕上げるのが楽なキャラクターです。Blender上で動かしても、予想外にゆがんでしまう関節は無いし、語り部リンナミーシャの羽や衣服とは大違いです…。


 外見や小道具だけではなく、経歴や過去の人的な交流なども考えてはいましたけれど、漫画などに使うかどうかは未定です。
 …いや、たぶん使わないでしょう。ただでさえ私の投稿は大したことない評価点数ばかりなんですから、楽ができるキャラばかり使っていると思われては、ますます評価が落ちていくでしょうね。
 それに今年、シナリオのキーパーソンとして登場させたのですから、来年まで続けて目立つ役にしなくてもいいだろうと思っています。
 今後も活躍してもらうから今回プロモーションしたのではなくて、当分使う予定が無いキャラだから今回だけ記事に使ったんです。

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 赤毛のシャウラのように、この頃出番が少ない女の子を活かせるシナリオをまず考えることにします。陽気なグラフィートーのような小さいキャラクターも、これまでの経験で活用法が分かってきた気がします。
 マンネリ化しないように、いろいろ対策を探っていきます。


 このごろ、自分は無力だな…と思う時が多いものです。CGソフトの使い方を研究しても、イラストを描いても、物語を考え出して漫画に仕上げても、現実の世の中を動かすことなんてできませんから。
 まあそれでも「俺様は何でもできるんだ」とか言い張って過激な言動を乱発するよりは、正直で現実的かもしれない…とでも思うことにします。

 世の中から相手にされるように、作品、作っていかないと。
 漫画やイラストだって、いくら作ってもすぐに忘れられてしまうのかも。

 2011年の地震や原発事故だって、今の小学生くらいの世代はよく知らないのだと聞きました。
 小学生の間での避難者への偏見は、周囲の大人からの影響なのだという話も聞きました。
 現実の災いの恐怖も、私たちは語り継ぐことなく、記憶をゆがめて、あっさり忘れてしまう。
 これじゃあ、絵描き一人を相手にする人なんかやって来なくて当然だなあ…。

 それでも、がんばって作品を作ってゆくしかない。そう考えることにします。
 「お前がやっていることは卑しい、みっともないことだ」などと言われたくもない。
 「お前がやっていることよりも、戦争に行くことは尊いんだ。絵かきなんかやめて殺し合いに行け。死んだら神様として敬ってやる」などと言われたくもない。
 無力な凡人の私だけれど、性格や特技は主張させてもらうぞ。
 そう思いながら今日も作品づくりを進めます。




気づかないふたりの制作記 その2 [パーソナル ノート]

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 今月26日はデザインフェスタ出展の日なので、作品準備を進めています。

 準備は始めたばかりなので、今回も先月公開したトラムの乗務員ふたりの話題です。
 「気づかない人」は、はじめからトラムの乗務員と決めていたわけではなく、たくさんの候補の中から選びました。

 主人公のすぐ近くの住人だけれども、主人公の特別なところに気づかない。身のまわりにいる不思議な存在・非日常的な事件を見過ごしている人物。…じゃあなぜ、かれらはそれに気づかないんだろう。そんなことから、検討をスタートしました。

 注意した点は、不思議なものに気付かないことは優劣ではない、ということです。
 できないこと、経験が無いことを挙げて相手を責めるのはいくらでもできるから、愚かさや慢心を前面に出した人物像にして、笑い飛ばされる者にすることは避けました。

 それで、読者の大多数が親しみをおぼえてくれそうな、実際に身近にいてほしいと思ってくれそうなキャラクターを目指すことにして、働き者で人あたりの良い女の子ということにしました。
 ちょっと鈍感かもしれません。けれどもパーシュ運転士とラリィ車掌は、大切な仕事に専念しているから、仕事に直接かかわらないことを詮索しようとは思わないんです。

 悪役として作ることもできたはずですけれど、そうしないように気を付けました。
 現実に今の世の中、悪いことはみんな誰それのせいだ…とか決めつける風潮がありますからね。漫画は単純な舞台設定なら読みやすいけれども、それをそのまま現実の人生に置きかえる発想がそこかしこに伝染しているようなら、作り手としては低きに流れないように、作品づくりの工夫をしよう…というふうに思いました。

 そういうわけですから、安全運転ですね。最短コースを突っ走ればいいってものじゃ、ないってことです。


気づかないふたりの制作記 その1 [パーソナル ノート]

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 トラムの乗務員として登場した二人の話題です。

 パーシュ・ティラード運転士とラリィ・アービル車掌には、不思議なものを直接見る機会がありません。
 羽がある少女、空の語り部リンナミーシャのうわさを聞いたことはあるけれど、リンナミーシャが翼を広げて飛んでいるところを見たことはありません。
 蝶と言葉を交わすキャプテン・キュンメルの名前は知っているけれど、迷信だと思っています。もちろん、いもむしラゼンパの存在なんぞ、想像もできやしません。

 アニメや特撮のヒーローの話によく出てくるキャラの一種です。主人公の近くで暮らしているけれども、主人公が実はヒーローに変身することに気づいていないという、あのタイプです。
 構想ノートに書いていた頃は便宜上「気づかない人」と呼んでいました。

 物語に登場するけれど、主役であるリンナミーシャやラゼンパの実像を知る時が来ない者として、どんな人物像を描こうかと、いくつかの候補をあげていました。
 どれにしようかと長い間迷っていましたが、少し昔、別の作品のために電車の乗務員の女の子というアイデアを書きとめていたことを思い出して、今回使ってみることにしました。

 そうそう、ほかの「気づかない人」候補は不採用というわけではありません。主人公の真の姿を知る者はわずかしかいない、というのは物語ではよく活かせるシチュエーションですからね。ここで記事のネタにしてしまうのではなく、機会が見つかるまでとっておくことにします。

 一ヶ月後のデザインフェスタ出展のために作品準備を進めながら、少しずつブログにも投稿していきます。出展作品の予告ができる段階までは、まだ日数がかかると思いますから、次回もパーシュとラリィの話題にする予定です。

車輪使いファレンカム=サーク 登場の経緯 [パーソナル ノート]

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 先月完成させた漫画『空に迷う少女と黄昏の車輪使い』に登場した車輪使いについての話です。

 登場にあたってイメージしていたのは、たとえばムーミン谷の「飛行おに」のようなキャラクターです。そのせいか、白ずくめでひょろりとしています。
 性格を考えながら、イーデン・フィルポッツのファンタジー小説『ラベンダー・ドラゴン』も思いおこしていました。そのせいか、ラベンダー色の目をしています。漫画本編の白黒の画面では分かりませんけれど…。
 それに、ハイジのおじいさんとか、主人公の周囲で物語に関わってくる、年配の人物像をヒントに性格作りをしていました。
 年長者ですが、デウス・エクス・マキネにはしない、ということは当初から決めていました。つまり、事件の舞台に最後に現われて偉そうに正解を教えてやる、というタイプではありません。

 ファレンカム=サークが人気者にならないことは承知しています。2010年頃デザインフェスタ出展に持参した絵の中で、一度だけ出番を設けてみたことがありました。誰にも相手にされなかったものです。
 それでも今回登場させたのは、主人公リンナミーシャが議論する場面を出すことにしたからです。意見をたがえて対立する相手ならば、主人公よりも強そうで、見るからに優れた知性の持ち主がいい…漫画としての盛り上がりのためなら、不人気なデザインのキャラクターも使えるのではないか。そう思って試してみました。

 リンナミーシャが対立する、と言っても、相手が無知、邪悪だから、つまり、とにかく叩きのめしてしまえばOK、ということにするのは避けました。
 相手を短絡的に敵とみなす、単に打ちのめして追い払えばいいに決まっている、そんな風潮はしばしば見かけますが、単純で派手なだけの、薄っぺらの対決で終わってしまう気がしました。

 自分と境遇が異なる相手を、ただ非難すればよいというのであれば、それはそれで気楽かもしれません。世の中を見る目を単純化できます。闘争心をむき出しにできる限り、何でも片付けられるでしょうね。
 シナリオを考える場合でも、敵が傷ついてこの世からいなくなることにすれば、楽かもしれません。

 相手の立場を推し量る方がずっと大変です。価値観が違う、意見が合わない相手と話し合うのは、とても疲れます。
 でも、立場や考え方が違う相手と話し合わなければならない、相手の立場・価値観を尊重しなければならない、合意点を探らなければならない、そんな場面は、現実にいくらでもあるものです。

 確かに、得体のしれない勧誘は断ればいいし、犯罪者には近寄らなければいいでしょう。話し合わずに終わらせる場面もあります。けれどもそれは、なんとなく気の合う相手とだけつるんで口をきいていれば生きてゆける、という意味ではありません。

 こんなふうに考えた末に、精神的に年老いた車輪使いが、相手としてふさわしいと思えてきました。作中で、わしはこの頃疲れてきた…と言ってネガティブなアイデアを話しますが、話している本人も信じてはいなくて、悲観的になったり優柔不断に陥ったりしやすい心理ゆえの発言なんです。
 疲れやストレスのせいで捨て鉢になっている時に頭に浮かんでくる「死にたい」「殺してやる」というような、本気にしてはならない発想なんです。

 今の段落で書いたことだって、私個人の感覚にすぎなくて、ひとには通じないのかもしれませんね。世の中には、疲れてストレスをためて、追いつめられると気が高ぶって実力を発揮できる、という人もいるようです。人を傷つけることが好きだから、後付け的に敵を作ったり、戦う口実を探したり、という人もいるようです。
 それでも、相手をただ打ちのめせばいい、ということではないんです。私個人も尊重してもらいたいから、自分の考え方を主張し続けるんです。

 それはそれとして、ファレンカム=サークばかりを画面に映しているよりは気がなごむのではないかと思って、その仲間として時計仕掛けのフィボートを考え出しました。

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 フィボートは比較的好評だったし、ファレンカム=サークを登場させたことも、決して無駄ではなかったと思っています。
 考えてみればハイジのおじいさんよりも、ハイジ本人の方が人気者なんですからね。ダサいキャラクターでも登場する意義があるという局面も、時にはあるはずです。うん、どんなひとにも生きている意味があるんだ!




氷雪王、真夏の出展準備 [パーソナル ノート]

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 この間のPixivでの投稿で、今回制作中の漫画の一コマをお見せしました。
 ご覧のとおり、歩く冷蔵庫こと「不思議の国の氷雪王」が登場する予定です。

 間の抜けたやつで、自分が偉大な王様だと思い込んでいます。
 氷の結晶を手裏剣のように操るようですが、せっかく用意した氷を日なたに放置するといったドジをしでかすようです。
 自分は強いと思っていますが、朕は最強なり、いつでも戦えるぞよ、などと言い張ってひんしゅくを買って、かえって自分の立場を悪くしていくタイプです。

 くせのあるキャラクターですけれど、シナリオを作る場合には、こういうトラブルメーカーが役立つ時があるものです。

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 それに、Blenderで作成した氷の結晶を作品上で使う機会も増やせます。偶然のひらめきが重なって誕生したゆるキャラ氷雪王ですが、なかなか役に立ちます。

 こんなやつも利用しながら、執筆がんばっています。何とか8月21日のコミティアに間に合わせたいと思っています。



時計じかけのフィボート [パーソナル ノート]

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 ブログとPixivに同じ内容を投稿させていただきます。ご了承ください。

 先日公表した時計のキャラクターの名前を決めました。

 フィボート、と名付けます。時計の針にも振り子にも回転の中心軸(Pivot)がありますから、それにちなんで、Phi-voteです。

 音感が満足できるというわけでもありませんけれど、こういう準備段階で手間取っていると、イベントに持参する作品を作る段階へ進めなくなってしまいますから。

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 これからの夏や秋のイベント出展で発表する作品の計画を立てて、どんなキャラクターや舞台装置を作成するかを色々と検討していて、それで今準備を進めているのがフィボートなどの新顔キャラクターというわけです。



 もちろん今回も、単純な敵が登場するシナリオは避けることにしています。

 人格に問題だらけの者が現われて、ただそれを力で打ちのめせば良いという筋書きは、作るのは簡単だろうし、読むのも単純明快で楽でしょう。けれども、現実の人生を生きていくには、そんな短絡的な発想は役に立たないはずです。

 お前たちは薄っぺらな書き割りだと決めつければ、相手を傷つけるはずです。一度相手を傷つけてしまえば、和解は格段に難しくなるものです。

 自分は戦えるんだ、強いんだと誇示して、誰かと友達になれるわけでもありません。力を見せびらかすことが自己PRとして正しいのならば、誰かがミサイルや軍艦で挑発してくる時、私たちは畏敬の念で仰ぎ見ているはずです。



 人と人が、おとなの付き合い方をする、そんな実社会で生きてゆく気持ちになれる、心の支えになる物語を作りたいと思っています。

 現実に不愉快な人はいます。不愉快な出来事はあります。けれども、そういうものへの憎しみというプレゼントは、あげません。私だって、そんなことのために作品づくりはしないつもりです。




蝶の司キャプテン・キュンメル ラフデザイン(2008) [パーソナル ノート]

 少し手間取っているので、昔描いた絵の話題で失礼させていただきます。ごめんなさい。
 今回はPixivにも、画像は少し多めにしましたが、同じ記事を投稿します。

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 蝶の司キャプテン・キュンメルのデザインを検討していた頃のメモの一部です。
 2008年頃ですが、何月何日かまでは覚えていません。この頃はまだ、ノートに日付を書きこむ習慣が身についていなかったんです。けれど、これを書いた日は、のちにいもむしラゼンパとなるアイデアがひらめいた、記念すべき日でした。

 ブログでも何度か触れたことがありますけれど『ゼフィーベの空に風翔けて』としてイベント出展を始める前、もっと暗い作品を作ろうとしていた時期がありました。(『追憶のラゼンパ』 『いもむしラゼンパが、世界を変えました』)
 悪の秘密結社が全世界を裏から操っていて、敵は残忍で良心のかけらも無くて、戦って殺すほかに解決策が無い…という類のシナリオでした。
 そういう舞台設定が好きだったのではありません。制作が楽にできそう、公開すれば受けるんじゃないか、という現実を甘く見た発想があって、もうひとつ、実際の人生は思い通りにならないことばかりだから、架空の世界で憂さ晴らしをしたいという、気まぐれでした。
 サスペンスとか犯罪ものを、鑑賞したり制作したりすることが好きな人なら、それで楽しいのでしょう。私はそうではなかったということです。作品を作りながら絶えず、昔のつらい出来事を思い出して、気分を悪くしていました。

 その登場人物の一人、蝶をスパイのように操って情報収集する少女に、キュンメルと名付けていました。
 メモの中で、衣装の候補を描きながら、言葉遣いや行動のパターンなどを書きこんでいます。こうしたことを書きながら当時の私は思い立ったようです。…蝶たちがいるんだから、一緒にいもむしも出てきていいんじゃないか?

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 当時の私はそのアイデアがよほど気に入ったのか、少女キュンメルの性格や衣装のメモを中断して、いもむしのデザイン検討を始めていました。

 この方が楽しかったのだろうと思っています。私がたとえ作り手として未熟でも、この自己分析くらいは正しいと思っています。

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 人間だれでも、一時的に怒りにかられるような時はあります。でもそんな感情には、長い年月にわたる作品制作のモチベーションを維持するような力はありません。少なくとも私のような性格の者にとっては、心の支えとは思えません。
 作業の負担を少なく、人気が出そうな内容にする、そうしたことは大事ですけれど、そこへ自分自身が好きになれる要素をどう組み合わせてゆくかが大切だと気づきました。

 ゆるキャラを採り入れられる環境にしようと決めた結果、くだんの暗い話の大部分は不採用にしました。それからいくつもの試行錯誤を経て、現在ウェブで公開しているような創作活動となっているわけです。



とびうお制作記 [パーソナル ノート]

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 5月のイベント出展のために準備をしています。今回のブログも退屈な記事で失礼します。

 作品には、とびうおが何度か登場しています。とびうおを登場させようと決めた経緯ですが、これには蝶たちが関係しています。

 蝶を登場させようと決めていたのは、とびうおよりもずっと前でした。深い考えがあったのではなく、画面を華やかにできる外見で、3DCGで描きやすい生き物を選ぼう、という程度の理由でした。

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 蝶についていろいろ調べるようになったのはそれからでした。そして調べてゆくにつれて、現実に蝶とはどんな生き物なのか知ってゆきました。
 他の動物の食べ物となって自然界を支える、底辺の生き物というのが、実際の蝶の立場です。小鳥や猫など、市街地でも見かける生き物たちだって、蝶などの虫を捕まえて食べています。

 そうしたことを知って考えて、蝶を捕食する動物を、理由もなく蝶と同じ画面に出すことは避けることにしました。
 とびうおは水中でプランクトンなどの小さな生き物を食べているのかもしれません。けれども直接に蝶の天敵となってはいないだろうから…という消去法の末に選んで、とびうおが画面にいるというわけです。

 もちろん、私が選ばなかった、他の方法もあります。
 たとえばトムとジェリーのような、天敵と獲物の関係を利用して漫才コンビ的なやり取りにする手もあります。
 虎の威を借る狐の寓話のように、シナリオのコンセプトを伝えるために利用する道もあります。
 無視する、という方法もあります。ミツバチとカマキリが一緒に旅をする、クマとウサギが一緒に遊ぶというのも、創作としてはありえます。無知ゆえではなく、作品上不要な要素だから無視するというのも、作り手としての判断力です。

 選択肢はあったのですが、私が選んだのは対立を描かない道でした。
 敵と戦う場面があれば手早く作品を盛り上げることはできますが、現実の世の中で安易に誰かを敵視することにうんざりしているから、作品には使わないようにしたいと思いました。

 いかなる時も正しく善良な人、全てにおいて悪い人、そんなものは現実にはいません。
 たとえば、私から見れば、正社員になって毎月決まった収入がある人というのは、とてもうらやましいと思えてきます。
 一方で私には住む家があるから、ホームレスが主役のストーリー上では、私が憎むべき悪役にされてしまうのかもしれません。
 私には心身のどこにも障害は無いから、障害を持つ人たちが私に怒りを抱き、私がもっと奉仕するべきだと要求してくることだってあるかもしれません。
 正社員で伴侶もいて、私から見ればリア充全開の人が、何か理由をつけて私を憎んでいるかもしれません。

 自分が正義であり、誰かに怒りをぶつける権利があると言い張る。誰かから悪者だと決めつけられる。立場はあっさり切り替えられてしまうものです。

 誰が敵なのか、自分と誰かの間にどんな優劣の差があるのか、それは自分がどんなルールを採用するかというセンスの問題かもしれません。
 しかし、誰かを敵視して怒りをぶつけ、気勢を上げるというのは、自分が苦しい立場だと言い張って争いを始めるために、わざわざルール作りをしているようなものでしょう。

 確かにファンタジーの創作ならば、人間を食べる天敵を作ることもできます。サーベルタイガーが絶滅する前の、はるか大昔を舞台にすることもできます。
 けれども私は、そこまでして戦いを作り上げることが面白いという気にはなれません。

 敵が存在して、殺すほかに対処法が無いという事態は、私たちの無知や失敗の積み重ねの末に招き寄せるものであって、それより前に賢く解決する可能性があるはずです。人間の知恵は戦うためではなく、戦いを起こさないために活かせるはずです。
 戦うことが他の仕事よりも尊い、などという時代は終わっているし、私は戻りたくもありません。

 …小難しいことを並べた末にたどり着いたにしては、とびうお達も間の抜けたデザインになっていますけれどね。まあ、これも私なりに知恵をしぼった結果なんです。



ちいさなロミンミュ [パーソナル ノート]

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 ブログとPixivで、同じ内容の記事を投稿させていただきます。大切なアイデアなので、いち早く公開したいと判断したからです。ご了承ください。

 以前から少しだけウェブ上で公開してきた、いもむしの女の子の名前を決めました。

 ちいさなロミンミュ(Little Rommimmeu)と、名付けさせていただきます。

 キャラクターを作るのも、名前を決めるのも、実はとても大変な作業です。
 すでに同じようなコンセプトやデザインのキャラクターがいないか、似たような名前がどこかで使われていないか、多数の候補をあげてから調べて絞り込んでゆく作業です。
 本編の主人公・空の語り部リンナミーシャを公開する前にも、外見や名前の候補は多数検討していました。リンナミーシャという名前を公表する直前まで、この主人公の少女にも数種類の名前の候補が存在していました。

 この子もせっかく外見をデザインしたのですから、物語にもっと登場してもらうことにしました。
 「いもむしの女の子」と呼ぶだけでは存在感が弱くなるので、ロミンミュという名前にしました。
 リンナミーシャにつけるために用意していた候補のひとつだった名前です。


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 蝶の司キャプテン・キュンメルは、ふしぎな剣を使いますが、対してロミンミュは杯の持ち主です。
 ブログで少しだけ触れたことがありますけれど、ふしぎな剣の対となる、神秘の杯です。
 ちいさなロミンミュが、どんな風に杯を使って、どういう風に物語に関わってゆくのか…楽しんでいただける物語を作りたいと思います。


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