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『不思議の国の氷雪王』Pixivで公開します [ストーリー - ホームタウン]

 1月31日のコミティア115出展も無事に終えることができました。ブースにお立ち寄りくださった皆様、作品に興味を示してくださった方々に心から感謝いたします。
 当日頒布した新刊『不思議の国の氷雪王』、今回も縮小版の画像データを作りましたので、Pixivで公開します。販売した紙面よりも縮小していますが、無料でご覧になれます。

 当ブログにもリンクを置きます。

Pixiv:漫画『不思議の国の氷雪王』

 絵の仕上げにもミスが多々ありますが、描き直すとキリが無いので、印刷・頒布した内容をそのままウェブ上でも公開します。

 文字が小さくなりすぎてはいないか等、読める程度の縮小なのか、読み直して確認はしました。
 けれども、読みにくいといったご意見もあるかもしれないとは思っています。

 描線の描き込み方等、今後も改善していくつもりです。5月開催のデザインフェスタとコミティアにも、すでに申し込んでいますから、この次はもっと読みやすく、さらに評価を頂けるようなものを描くつもりです。

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『ファーネス・ファーが暮れる頃』 Pixivで公開します。 [ストーリー - ホームタウン]


 8月30日のコミティア113サークル参加、おかげさまで無事に終わりました。
 スペースにお立ち寄りくださった皆さん、本やイラストを手に取ってくださった皆さん、ありがとうございました。
 つたない作品でしたが、少しでも皆さんの印象に残ったとすれば、作り手としての苦労も報われます。


 前回の投稿で予告した通り、今回制作した新刊『ファーネス・ファーが暮れる頃』を、Pixiv上で公開します。
 印刷時の画像を縮小していますが、内容は同じものです。
 500円での販売を予定していましたが、印刷や製本の仕上がりがあまり良くなかったので、400円に値下げして販売いたしました。作業での注意深さが足りなかったためで、ひとえに私の責任だと心得ています。
 表紙の絵は開催間近に焦って描いたので、つまらない画面になってしまいました。手直しをしたい箇所は数知れずありますが、ここで書き直しに戻るよりも、今回の経験を今後の作品に反映させていくつもりです。

 このブログにもリンクを置きます。ご興味を持っていただければ幸いです。

『ファーネス・ファーが暮れる頃』

 今回の制作・出展で気づいたこと、次回11月のデザインフェスタとコミティアに臨んでのアイデアなど、今後の記事に書いてゆこうと思っています。




『ドードー・ジェットの秘密基地』Pixivで公開します [ストーリー - ホームタウン]

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 5月5日のコミティアも無事に終了しました。「ゼフィーベの空に風翔けて」の作品に目をとめてくださった皆さん、ありがとうございました。

 当日販売していた漫画『ドードー・ジェットの秘密基地』の内容を一通り、Pixivで公開します。Pixivの会員登録をしていなければ少し閲覧がわずらわしいかもしれませんが、無料で読むことができるようにしました。


Pixiv『ドードー・ジェットの秘密基地』

 ウェブとイベントの並行について考えながら、今回の作品準備をしていました。つまり、ブログやPixivで無料で閲覧できる記事と、イベント会場で展示・販売する作品とで、どんな変化をつけるといいだろうか、ということで迷っていたのでした。

 よい案が浮かばなかったので、時間切れになってしまう前に漫画の執筆を始めたのでした。でも、より多くの人に見てもらえるPRにするために、ウェブ上での発表はおろそかにしたくありません。それに、当日に東京の会場へ来られない方には漫画の内容を見せない、というのでは悪いような気がしていました。

 解決策が無いまま漫画を完成させたので、開場で準備中に思い立って、販売するその場に「近日中にウェブ上で無料で公開します」と書き加えました。

 この先、イベントとウェブの並行をどう成り立たせてゆくのか、ということも、作品の質のうちなんだと思います。

 考えながら、進めていくことにしましょう。今回のコミティアでの漫画を公開して、十日後のデザインフェスタのために作品制作を始めて、そこまで終わったら、また作品発表の改善策を何とか考えることにします。



貿易商の店の中は [ストーリー - ホームタウン]

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 赤毛の貿易商、シャウラ・ディーミの店の応接室。店といっても商品を陳列してあるのではなく、顧客を招くための場所。
 顧客は例えば、こんな品物を仕入れて販売したいのだが、どこで生産しているだろうか、だとか、こういう品を売りたいのだが買い手がどこかにいないだろうか…などなど、商売にかかわる相談事を持ってくる。そうした人々の仲立ちをして、情報を集めて提供する。
 時には応接室をサロンのように使う。たとえば、ささやかな食事会などを開いて、情報交換の場を提供する。


 ―今回はストーリーと言うほどのものではありませんでしたが、イラストのためにBlenderで舞台装置を作っています。今回は、暖かそうな応接間を作成してみました。



町のかたわらの観覧車 [ストーリー - ホームタウン]

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 シャウラが住んでいる町のはずれには、小さな古い観覧車があった。
 大昔の富豪が、大勢の職人や召し使いを集めて築かせたのだと言う。
 その頃は機械仕掛けの設備そのものが珍しくて、富豪は観覧車を見せびらかしては、他の金持ちが建てたピラミッドやモアイを笑い飛ばしていた。
 ところが、遠い土地からも、ニュースが伝わってきた。大きな回転木馬がある町の話、お化け屋敷があるお城の話、ジェットコースターを持っている王様の話。
 観覧車だけが、ものすごい名物ではないのだった。
 富豪は機嫌が悪くなって、観覧車を人へ見せることも、職人に手入れをさせることもやめてしまった。

 シャウラが幼い頃のことだったが、ある男が町にやってきたと言う。
 男は、町で一番大きな家を買い取って、そこに一人で住みついた。
 それから男は、町外れの古い観覧車を買い取った。
 建築家などの技術者を大勢雇って修理をさせたのだが、それが終わると誰もかれも追い払って、誰一人として観覧車に乗ることを許さなかった。
 そんなふうに大金を使いながら、その男はいつも、金が足りないと文句を並べていたと言う。
 ある時、その男は町から出て行った。家も、それに観覧車も、手入れをする金が足りなくなって、町に捨てていった。



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 ある日のことだった。シャウラは貿易商の一家の娘なので、その仕事の手伝いで出かけていた。
 「シャウラ、めずらしいですよ。今日はクプーリテも、あんなに出てきています。」
 一緒に来ていたリンナミーシャがそう言った。
 けれどシャウラは「クプーリテって、いったい何?」と聞くことも忘れて、別のことを思い浮かべていた。

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 道端に、廃材で遊ぶ子どもたちがいた。街並みの屋根の向こうに、打ち捨てられた観覧車がたたずんでいた。
 シャウラはつぶやいた。
 「遊び場があればいいんだから、あの観覧車、使えばいいじゃないの。」

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 シャウラの家族は、代々この地で貿易商をしている。
 貿易という仕事は必ずしも、いつも品物や現金のやり取りをしているわけではない。
 売り手や買い手を探す仕事、よその売り手と買い手の間を仲介する仕事、相手が、ちゃんとした取引ができるどうか、信用面を調べる仕事、つまり情報交換が大きなウェートを占める。
 それでシャウラは当然のように、多様な相手と連絡を取ることから始めた。
 どんなアイデアがある場合には、誰に、どんなタイミングで、話を切り出せばいいのか、シャウラはごく自然に心得ている。
 本人は自覚していないけれど、それがシャウラの特技だった。
 先日の街角でシャウラが気付いたとおり、父母や学校も、こども達が過ごす場所がほしいと考えていた。
 「するとですね、観覧車と一緒に遊具を配置して、遊び場にするのはどうでしょう。」
 シャウラが集めた意見を、リンナミーシャがそんなふうにまとめた。

 町の商人同士の集まりでも、観覧車の話題を出してみた。この町を華やかで快適に見せる名所があればいいと、多くの商人が認めた。
 ただ、観覧車の遊び場をどうやって維持するのか、意見が分かれた。
 つまり、観覧車に乗る子どもたちから料金を集めるのか、それとも役所に頼んで、税金から費用を出して無料にするのか、という議論だった。
 問題の観覧車を一般開放した前例がそもそも無かったので、どうするのが正解なのか、誰にも分からなかった。
 シャウラは思い切って、ここで資金を集めようと言い出した。シャウラや町じゅうの商人が創設した基金で、まずは観覧車を買い取ってスタートしようと言うことだった。
 有料か無料かについては、リンナミーシャが気付いたことを話した。
 「おやつを買いに行くことの延長と思ってはどうでしょうか。こども達がおこづかいの使い方をマスターするのは、きっと将来の役に立ちます。」

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 もちろん、費用節約のために数多くの工夫をした。
 遊び場に花壇を造った日には、リンナミーシャもシャウラも、弁当持参で手伝ったのだった。



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 こんないきさつで、観覧車のある遊び場は開園した。
 確かにいそがしい数ヶ月だった。知恵を絞って、たくさんの人に協力を求めて、町じゅうを歩き回るような日々だった。
 けれども、そんな日々を振り返って、シャウラは気がついた。
 「ずいぶんスムーズにできたわね…何ていうか、長い道だったけど、障害物は無かったような気がするわ。」
 「ええとですね。あったんですよ。シャウラは、知らずにちゃんとよけていたんです。」
 「よけていた?」
 「昔の大富豪さん達がつまづいた障害物は、今も世の中にころがっているんです。」

 独り占めしたいから、自慢して他人を見下したいから、自分のためにお金をつぎ込むという人々は、確かにいる。
 そうではなくて、誰かをもてなすためだから、賛同者も集まりやすくなり、手間も費用もかけることが、理解されるようになる。
 「みんなを笑いものにしてやりたいんだーっ、て言って、分かってもらえるわけが無いんです。シャウラがとった方法は、その正反対だったということです。」
 そんな指摘を、シャウラは自分なりに消化してみた。
 「お客さんにおもてなしする時だから、おしゃれをする意味がある。念入りに着飾っても、独りで鏡に向かっているだけじゃ、周りのみんなから分かってもらえなくなっちゃう…そんなところかしら。」

 ところでリンナミーシャは、羽があって空を飛べる。
 けれども、たまに観覧車に乗ると、結構楽しい。
 なぜなのか、リンナミーシャにも、よく分からない。

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青空の下のバウムクーヘン [ストーリー - ホームタウン]

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 晴れて暖かいので、料理道具は庭へ持ち出していた。
 カーロが、バウムクーヘンを焼いていた。


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 小麦粉の生地を一すくい、薄く広げる。
 おもてに焼き色がついたら、その上にまた一すくい、生地をかぶせて火にかける。
 こんな風に焼いてゆくから、焼き色が年輪のように重なってゆく。

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 グリルに向かってそんな作業をくり返すカーロを、ミルコーロは退屈そうに見ていた。
 「うち、めんどくさいの嫌いだあ。」
 「おやおや、お菓子は嫌いなのか。」
 カーロはグリルから目を離さず、軽く笑って受け流した。
 「そーじゃないけどさ。小麦粉って、めんどくさい。」

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 庭のすぐ外の小川に、とびうおが泳いでいた。
 なぜなのかは分からないけれど、ゼフィーベ各地の河川には、昔からとびうおが住んでいるのだった。



 ミルコーロは簡易端末をシャットダウンしながら、小麦粉への文句を続けた。
 「下ごしらえ、しなくっても、簡単に食べれるといいのにさあ。」
 「モヤシは簡単だな、湯通しだけでいいからな。」
 「簡単なだけじゃなくって、おいしくて、おなかいっぱいになる食べ物でなきゃ、やだよっ。」
 「ソテーするだけのステーキ肉なんかは、金持ち連中のものだろうな。ぼくら庶民の領分は、知恵と手間ってとこさ。」


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 庭の隅には、ミルコーロが乗ってきたルフトカーンが停めてあった。おもちゃの小鳥のような姿の、空を飛ぶ舟だった。
 それを眺めて、リンナミーシャが、ミルコーロに呼びかけた。
 「ミルコーロの乗り物、宙に浮いていますよ。エンジン、切ってあるんですか。」
 「うん。今さっき切ったばっかなんだ。晴れてるから反応が活発だけど、じきに化学バラストが冷めて、地面に下りてくよ。」



 ミルコーロはフリーランスのパイロットだった。遍歴の科学者、カーロと同様に、行く先々で自分の特技を売り込む立場だった。
 ルフトカーンは高度な化学の知識と運動神経が必要な乗り物だった。簡単に誰でもすぐ使えるとは言えないせいか、過去のクライアントの中には、何かと理由をつけて、ルフトカーンを嫌う人間が少なからずいた。

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 ミルコーロはルフトカーンからバウムクーヘンへ視線を戻した。小麦粉への不満は、ほんの少しトーンダウンしていた。
 「もうちょっと、使いやすかったらいいんだ。粉がかたまりで残らないように、こねたりのばしたり、工夫しなきゃいけないんだもん。」
 カーロは生地をまた一すくい、焼き色の上に広げた。
 「少し使いにくいから、知恵を使う面白さがあるのさ。工夫するから、色んな形のものが出来上がった。」
 「かたちぃ?」
 「小麦粉にまんべんなく火が通るようにって、バウムクーヘンも、クレープもピザも、形ができたのさ。パスタや麺もそうだろ。昔から、大勢の人が知恵を出し合って、考え出した形なんだよ。」
 「知恵を出し合ったのかあ。…そう言われれば、バウムクーヘンって結構、かっこいいな。」

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 生地のボウルは空になっていた。カーロは仕上げに、バウムクーヘンの外側にはちみつを塗っていた。
 リンナミーシャが何気なく庭の隅へ目をやると、ミルコーロのルフトカーンはいつのまにか、音も立てずに地面に下りていた。


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 「もういいかな…ほら、焼き立てだよ。」
 「わーい、…ありゃ」

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 「この辺のトビウオは、曲芸飛行がうまいな…」



ゼフィーベの町のバシリカ [ストーリー - ホームタウン]

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 物語ではなくて、作品の進捗状況の報告です。

 背景画像用の3Dデータを作成しました。バシリカという建物で、ゼフィーベ国内の商人たちの組合が所有しています。

 赤毛のシャウラの家のような、中小規模の商人は、私有の店は大きくありません。常設のショールームなども持っていません。

 そこで、同業者などが集まって、共同で大きい建物を建てて、大がかりな販促イベントなどを開催したい場合に使うんです。

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桜とカタバミ [ストーリー - ホームタウン]


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 「もう散ってるわ。桜って、花が咲いてるのは、ほんの少しの間だけね。」

 「桜はきっと、しっかりものなんですよ。」

 「しっかり者?」

 「草木にとっては、花を咲かせて実をつけるのは、だいじなお仕事なんです。お仕事を長びかせないで、てぎわよく終わらせるから、桜はきっと、しっかりものなんですよ。」



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 「カタバミなんて、暖かい場所だと、年中花を咲かせてるそうよ。」

 「すると、事業方針の違いかも、しれませんね。桜が期間限定セールで、カタバミが、コンビニのようなものでしょうか。」

 「あは、面白いたとえ方ね。でも、あたしたちったら、花をとりあげてるのに、色気の無いこと、しゃべってるわね。」



小銭の無情 [ストーリー - ホームタウン]

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 カーロが、コインを一枚、落としてしまった。

 転がったコインを、リンナミーシャが羽の先で器用にすくい上げて、手にとってカーロに差し出した。

 「ありがとな。」
 「いいえ。でも、思い出したんですけど。」


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 リンナミーシャの頭に浮かんだのは、レ・ミゼラブルのある場面だった。

 「ジャン・バルジャンが、悪者だった頃のくせが、まだ抜けていなかった頃です。小さな男の子が小銭を落としたら、ジャン・バルジャンがおどして、横取りしてました。」

 「そうだったね。坊やのコインを踏みつけて、返してやらなかったんだよな。…ああいうのは、よくあることさ。ああいうことをするやつらは、すきを見せるやつが悪い、とか言い張るんだよな。」

 「よくあること、なんですか。」

 リンナミーシャは少し考えてから、カーロをまっすぐ見つめて、言葉を続けた。

 「普通だから、とか、みんながそうしているから、なんていうので、何が正しいのか、決めるわけがないです。わたしは、落し物を拾って、返してあげました。この方がいいと思ったからです。」

 「そうだね。ぼくもそうしたい。それが紳士的ってものだ。」

 カーロの返事は、リンナミーシャに答えているというより、自分に言い聞かせているようだった。

 「ひとをおどして小銭を奪っても、後味が悪いだけさ。まして、『みんながこうやっているから』なんて言い訳を持ち出してくるんじゃあ、せこい話だぜ。」

 「ちっとも、立派じゃないですね。…つまりですね、相手のひとがうっかりした時は、自分が善良な紳士か、せこい悪党かの、分かれ道なんですね。」

 「まあ、そうなるな。」


 カーロはそこでひと息ついて、穏やかな調子に戻った。

 「それにしても、レ・ミゼラブルを読んでるのか。いい本を選んでるな。」

 「あ、まだ、読み始めたばっかりです。」



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目の前の言葉 [ストーリー - ホームタウン]


 森の中をめぐる散歩道。
 赤毛のシャウラと、空飛ぶリンナミーシャ。

 歩行者専用の木造歩道。石造りの高架は水道や送電に使われる。

 「いろんな作り方をしているんですね。こっちの道は木を組んでいるのに、あっちには、材木の柱とレンガの壁のところがありましたよ。」

 リンナミーシャが歩道を見て言い出すと、シャウラが答える。

 「ずっと昔から、ちょっとずつ作ってきたそうよ。何百年も使ってるから、いたんだ場所を直したり、新しく通路を付け足したりしているのよ」


 本来は記念碑などではなく、古い建造物の一部分と考えられる。

 古い石板に、文字が刻まれている。
 歩道から少し離れていて、シャウラには読めなかったけれど、リンナミーシャがよく見ると、「馬、あるいは象に乗って、この道を渡ってはならない。」と、あった。

 シャウラがリンナミーシャに、こう教える。

 「これ、大昔のお触れよ。いまどき、象に乗ってくる人なんていないわよ。」
 「するとシャウラ、象のことは、もう書いてなくてもいいですよね。」



 二人の足もとから、声が聞こえる。

 「本当に消したりなさっては、いけませんよ。遺跡として保存されているものですからね。」
 「あ、こんにちは、キュンメル。」

 らせん階段に立つキャプテン・キュンメル。

 蝶々にまじって、いもむしラゼンパの姿も。

 「こんにちは、ラゼンパもお散歩かしら。」

 歩道のすみっこにしがみついてる、いもむしラゼンパ。

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